それぞれの回復

3)それぞれの障害
 脳卒中による障害は、病変の場所・範囲、程度により人それぞれに違います。似たようなケースでも障害の表れ方は人により異なる場合があります。
 それは、脳の持つ様々な機能が働く場所、働き方が、個体差、性差等に異なるからです。
 そんなことから、同じような障害を持つ人でも、全く同じ人はいません、そして、悩み、辛さも人それぞれに違います。 
4)それぞれの回復
 回復の仕方も回復する程度もまた、人それぞれに異なります。

 障害は、どのように回復するのでしょうか。

 損傷した部分の脳の中枢神経系と呼ばれる部分は手足の傷のように完全に元通りにはなりません。そしてそれが原因で脳の一部が働かなくなって、手足が動かなくなるのです。

 しかし、完全に動かなくなってしまうわけではなく、脳の直接損傷を受けた部分の周囲のむくみが取れたり、脳の他の部分や他の神経回路が働くようになることによってある程度まで手足などの運動機能が回復していくのです。

 障害の回復は一般に、最初の1ヶ月までは良く回復し、 3ヶ月まではゆっくり回復し、1年を過ぎるとあまり変化はみられないといわれています。 つまり、障害の回復は病院におけるリハビリテーション治療などによって、概ね1年以内で回復限界に達するといわれています。

 時々、発症から何年も経っているのに麻痺が治ったなどという話しを聞きますが、多くは最初の3ヶ月以内に十分かつ適切なリハビリテーションが行われていなかったケースみたいです。 本来治るべきところだったというのが本当ではないでしょうか。

 障害の回復は何処かに限界がありますが、治るところまでは頑張りたいものです。
  しかし、限度以上のものを求めるのは良くないことです。治らないところは後遺症として認め、自分のできる範囲で生活の楽しみを広げるという発想が必要だと思います。

 

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