仏・独語研修と絵葉書の中の世界遺産(1)
 1975年に30日間の仏・独語研修((株)W航空サービス)で行ったヨーロッパの世界遺産です、何れもその後に世界遺産となっているので、当時はそんな意識はありませんでした、絵葉書は当時のものでもう半世紀近く経ちました。
1975年3月3日(月)〜 ケルン大聖堂/Kolner Dom ドイツ

世界文化遺産1996年

 1248年に建築が始まり、宗教改革で中断した後500年以上の歳月を経て1880年に完成しました。
 ケルン中央駅の南側にあり100mも離れていません。

 ローマ時代からの古い歴史を誇るドイツの文化都市ケルンの街に立つケルン大聖堂、駅前の広場から見ることができ、その大きさには驚きを覚えました。

 観光客にも人気の高い観光スポットで、ドイツで最も人々が訪れる教会です。高さ157m、奥行き114m、幅86mもあり、40階のビルに匹敵する姿は迫力があります。

 1880年に完成した大聖堂はフランス式ゴチック様式のカトリック教会で、約632年の歳月をかけて建てられました。1164年にミラノから送られた東方三博士の聖遺骨を納めるにふさわしい聖堂を建築したいと建てられ、ゴシック様式の建築物の中では世界最大級と言われています。ドームの高さはそんなに高くありませんが、大きく突き出た2本の塔は圧倒的です。

 初代の大聖堂が作られたのは4世紀。最も古い聖堂としられ正方形の建物でした。その後、建て替えがなされ、818年に完成しましたが、1248年の火災で焼失。大司教の命によって同年に現存する3代目の建設が始まりました。

 1320年に内陣は完成しましたが、1559年からは宗教改革による財政難により資金不足となり一時工事が中止されました。

 ケルンは、ドイツで4番目の人口を有する大都市、歴史的建築物も多く素敵な街でした、夕日が沈むころライン河右岸からは向こう岸にオレンジ色に染まり壮麗に輝く大聖堂が見られて、その景色はとても感動的です。


 右上写真 = 同年3月19日(水)のビアホール「フリュー」前、フリューは、ケルン中央駅からだとDomの後ろの方にあって、ホーエ通りとアム・ホーフ通りの交差点をアム・ホーフへ左に曲がって少し行けば右側にありました、徒歩で10分ぐらいだったと思います。ケルンの現地家庭に滞在した3週間の間、よく研修生仲間と集まってビールを飲みました。
3月9日(日) ライン渓谷中流上部(コブレンツ/Koblenz) ドイチェスエック

世界文化遺産2002年

 ライン渓谷中流上部はラインラント=プファルツ州の都市であるコブレンツとビンゲン・アム・ラインの間にあるライン川の渓谷に広がる世界遺産です。

 ライン川左岸にある、観光船の起終点となっている街「コブレンツ」。ライン川とモーゼル川の合流地点で水運の要衝として繁栄し、昔を偲ぶ建物が建ち並んでいます。

【ドイチェス エック(ドイツの角)】父なるライン川と母なるモーゼル川の2つの大河が合流する地点に出来た三角のエリア。コブレンツの観光名所の一つとして知られています。23mの台座とその上には高さ14mのヴィルヘルム1世の騎馬像が立っています。


 左上絵葉書 = ドイチェスエック対岸(ライン川左岸)のエーレンブライトシュタイン城(要塞)と観光船
 右上写真  = エーレンブライトシュタイン城から撮ったドイチェスエック、ケルンからコブレンツまでは電車で1時間余り。駅からは徒歩で東へ1km行くとライン川左岸に突き当たり、川沿いを下流に向かって1kmほど歩いてドイチェスエックに着きました。
 エーレンブライトシュタイン城のある右岸にはフェリーで渡りました。
3月12日(水) ブリュールの(アウグストゥスブルグ城/Schloss Augustusburg)と別邸ファルケンルスト

世界文化遺産1984年

 18世紀、ライン川にほど近いところにあるブリュールの地に、アウグストゥスブルク城(アウグストゥスブルク宮殿)は建てられました。

 富と権力が絶大だったケルン大司教であるクレメンス・アウグストが当時の天才建築家・バルタザール・ノイマンに設計させたものです。
 
 この世界遺産のメインと言える「アウグストゥスブルク城」。ロココ様式のこの城で最も人々の目を引くのが、入ってすぐの「階段室」です。天蓋の支えを極力なくし、贅を極めた空間となっているのです。他、当時王侯貴族の間で流行していた東洋趣味の部屋「漆の間」などヨーロッパ中の芸術家たちにより、この城は最高傑作と呼べるものになりました。

 ケルンから南西へ約13kmにあり、ガイドツアーで見学は可能ですが、館内撮影禁止のスポットです。 アウグストゥスブルク城はバロック様式の庭園(シュロス庭園)と別邸ファルケンルストと共に世界界文化遺産に登録されました。

 右上写真  = 語学学校主催の小旅行で、この日は貸切バスで訪れました。
3月15日(土) アーヘン大聖堂/Aachen Dom

世界文化遺産1978年

 1978年は世界遺産の登録が始まった年で、12件登録された中の1つです。

 アーヘン大聖堂は、ドイツ西部の都市アーヘンにあります。

 ドイツで初めて世界遺産に登録されたこの大聖堂は北ヨーロッパでは最古の大聖堂でした。

 786年にカール大帝が建設を開始して以来、1000年以上をかけて現在の様式が成立。その建築の文化的重要性が認められ、世界遺産に認定されました。

 「皇帝の大聖堂」とも呼ばれていて、それはカロリング朝フランク王カール大帝が埋葬されているためなのです。

786年、カール大帝は大聖堂の前身となる宮殿教会の建設を始めました。814年に皇帝が死去すると、その遺体は大聖堂に埋葬されました。現在でもその遺骨は残されています。936年から1531年までは、玉座が設置された場所で30人の神聖ローマ帝国の皇帝の戴冠式が行われました。

 アーヘン大聖堂の中心は宮殿教会で、当時はアルプス以北で最大のドーム建築でした。古典主義やビザンティン様式、ドイツ−ロマネスク様式など様々な建築様式が融合して造られています。 中心に高さ32mの八角形のドームが造られています、中世のキリスト教では、「八」は復活を意味し、神聖で象徴的な数字でした。


 右上写真  = 東の方から撮ったアーヘン大聖堂、この日は日本の独会話教室で一緒だったアーヘン大学(アーヘン工科大学)に留学中の方のところに会いに来ていて、色々と案内してもらっていたのです。
 アーヘンはケルンから電車で1時間ぐらいの西にあり、ベルギー・オランダとの国境沿いで、当時の切符には71kmと書いてあって、料金は9DMでした。


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