EuroNCAPが初めて緊急⾃動ブレーキ歩行者試験を実施試験 (平成28年4月)
 欧州で自動車アセスメントを手掛けるEuroNCAPは2016年4月20日、2016年から導入した「緊急自動ブレーキ(AEB)歩行者試験」を実施したと発表。
試験対象車はトヨタ自動車「プリウス」で、歩行者検知機能付き自動ブレーキを含む安全支援パッケージ「Toyota Safety Sense」を標準装備している。

     AEB歩行者試験で「Good」となり、全体評価で五つ星を獲得。



テスラEVで死亡事故 
 「自動運転が起こしたという認識は間違い」 ※まだ、簡易運転支援システムの段階

 米Tesla Motors社の電気自動車(EV)「Model S」が「Autopilot」機能で走行中に死亡事故を起こした。これを受け、米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)が調査を開始。2016年6月30日


 米国の警察の発表によると、2016年5月7日の午後3時40分頃、Tesla Model Sがフロリダ州Levy Countyの4車線の高速道路を「Autopilot」機能を用いて走行。

 そこに、大型トレーラーが2車線分を超えて左折して来た。これより、Model Sは前方にほぼ直角になったトレーラーに突っ込み、トレーラーの下をくぐり抜けフェンス2か所に接触した後、電柱にぶつかり停止。

 その現場でドライバーは死亡している。


 この事故に対し、Tesla Motors社は次のように説明。

 「車載カメラで前方を把握する状況下において、それまで認識していた前方の青空に、トレーラーの白い側面が覆いかぶさるように現れた。それを、カメラは認識できず、自動緊急ブレーキが作動しなかった」と。

 これは、ドライバーの通常の運転時であれば緊急ブレーキシステムが作動し、避けられた状況だったのかという分析が必要。


 一方、今回のケースではドライバーがAutopilotに対して「自動運転」を実現したものと誤解・過信した可能性もある。

 この点は、Tesla Motors社、あるいは米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)からドライバーや市場に対する周知徹底が十分でなかったと指摘される可能性も。

こうした事故を回避する技術的な方法としては、どのようなものが考えられか。

 緊急停止ブレーキを機能させる為に、瞬時の露出調整が不得意なカメラだけではなく、79GHzミリ波レーダーやライダー等も複合的に使って、前方現れた物体をより正確に認識し、周囲のクルマやトレーラーの変則的な動きを把握・予測する必要がある。

 また、急激な光の変化にも対応できるカメラを利用する事も考えられる。HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)機能を組み込み、通常露出だけではなく、露出過多や露出不足の画像を撮り、それらの画像を合成することで、光の強弱に関わらず常時画像を捉える方法もあり得る。

この事故は、今後の自動運転技術の開発にどのような影響を与える可能性があるか。

 日本では自動運転技術をたたく(批判する)ような論調につながる可能性を危惧。

 現在のAutopilotは自動運転機能を実現するものではない。

 そもそも、NHTSAは現時点ではまだ市販車が自動運転機能を使って公道を走ることを認めていないので、今回は「自動走行中に事故」という話ではない。

 実は、自動運転の定義が曖昧になってしまっているところがある。2013年にNHTSAが提言した「クルマの自動化の定義」の原文では、クルマの自動化について「レベル0~4」に分けて定義している。
レベル0は、自動化が全く行われていない水準。
レベル1は、ハンドル、アクセル、ブレーキの3つのうち、1つ以上が独立して自動化された水準。
レベル2は、ハンドル、アクセル、ブレーキのうち、2つ以上が複合的に動いて自動化された水準。
そして、レベル3以上が自動運転ということになる。

 今回事故が起きたModel Sの現状バージョンのAutopilotは「最終的な責任は人間が負う」とNHTSAが定義しているレベル2以下に該当。

 NHTSAの「クルマの自動化の定義」は、広く国際的に認識されている自動化開発の指針のようなもの。しかし、これが日本では一部しか訳されておらず、その一部も誤って解釈されてきた。

 結果、一部のTeslaユーザーと同様に、現状のAutopilotで自動運転が実現されたと勘違いしてしまう。「人工知能が誤認識」などと報じるメディアもある。

 先の提言の中で、NHTSAが現在認めている自動運転はあくまでも「公道テスト」であり、その段階でも事故を避けるように厳格に指示しているのはもちろん、事故がなければ技術が進まないという認識も明示している。その上で、事故があった場合は、その状況の詳細を包み隠さず提示することが要求されている。

 NHTSAはあくまでも自動運転技術の開発を推進しています。この件に関する日本の誤った報道が、日本における自動運転技術の開発の足かせにならないことを願います。

出典 日経テクノロジー online 
近岡 裕 2016/07/02 14:42

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